子の看護等休暇は小学3年生の終わりまで使える
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「子の看護休暇は小学校に上がる前まで」と覚えている人がいます。2025年の改正で、対象年齢が広がりました。育児介護休業法16条の2を確認します。
小学校に上がると、両立の負担は減るどころか増えることがあります。学級閉鎖や個人面談、授業参観など、保育園のころには無かった呼び出しが増えるからです。「小学生になったから休暇は使えない」と思い込んだまま働き続けるか辞めるかを悩む前に、条文の範囲を確かめておく価値があります。
対象は小学校第三学年修了前の子
条文の対象年齢の定め方が独特です。
九歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子(以下この項において「小学校第三学年修了前の子」という。)を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において五労働日(その養育する小学校第三学年修了前の子が二人以上の場合にあっては、十労働日)を限度として、負傷し、若しくは疾病にかかった当該小学校第三学年修了前の子の世話、疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該小学校第三学年修了前の子の世話若しくは学校保健安全法(昭和三十三年法律第五十六号)第二十条の規定による学校の休業その他これに準ずるものとして厚生労働省令で定める事由に伴う当該小学校第三学年修了前の子の世話を行うため、又は当該小学校第三学年修了前の子の教育若しくは保育に係る行事のうち厚生労働省令で定めるものへの参加をするための休暇(以下「子の看護等休暇」という。)を取得することができる。
「9歳に達する日以後の最初の3月31日まで」という数え方です。小学3年生が終わる年度末までが対象になります。前は小学校に入る前までが対象で、改正でここまで広がりました。
年5労働日、子が2人以上なら10労働日
限度日数も条文に明記されています。1人なら年5労働日、2人以上なら年10労働日です。3人目以降が増えても、上限は10労働日のままです。
理由は4種類。学校行事も新たに含まれた
条文が挙げる理由は4つです。負傷・疾病の世話、疾病予防のための世話。学校保健安全法20条による学校の休業(学級閉鎖など)その他これに準ずる事由での世話。そして教育・保育に係る行事への参加です。
最後の「行事への参加」が2025年の改正で加わった部分です。 入学式や卒業式、授業参観のような学校の行事に出ることも、この休暇の理由に入るようになりました。子の体調が悪いときだけの休暇ではなくなっています。
1日未満の単位でも取れる
2項が、取り方の単位を定めています。
子の看護等休暇は、一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得することができる。
1日の所定労働時間が短い一部の人を除き、1日未満の単位(時間単位など)で取得できます。半日だけ授業参観に出て、午後は出社するといった使い方も条文の枠に入ります。
申し出るときは、取る日を明らかにする
3項が申出の方法を定めています。
第一項の規定による申出は、厚生労働省令で定めるところにより、子の看護等休暇を取得する日(前項の厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得するときは子の看護等休暇の開始及び終了の日時)を明らかにして、しなければならない。
取得する日、時間単位で取る場合は開始と終了の日時を明らかにして申し出ることになります。急な発熱など当日の申出が必要な場面も多い休暇なので、勤め先の申出の様式やタイミングのルールを事前に確認しておくといざというときに慌てません。口頭でよいのか、社内システムへの入力が要るのかも会社ごとに違うため、平時のうちに確かめておくと当日に迷わずに済みます。
年度は4月1日始まり
4項が、日数を数える単位となる年度を定めています。
第一項の年度は、事業主が別段の定めをする場合を除き、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。
会社が別段の定めをしていなければ、4月1日から翌年3月31日までが1年度です。年度の途中で入った場合の日数の扱いは、厚生労働省令の定めによるので、勤め先の就業規則も見てください。転職した直後は特に、前の勤め先での取得実績が引き継がれるわけではない点も一緒に確認しておきたいところです。
有給休暇とは別の枠
この休暇は、労働基準法の年次有給休暇(年休)とは別の仕組みです。年5日または10日という上限は、年休の日数を削るものではありません。子の看護等休暇として、別の枠で用意されています。有給か無給かは条文には定めが無く、勤め先の就業規則が決めます。無給としている会社もあれば、有給として扱う会社もあるので、自分の勤め先がどちらかを確認しておくと、使うときの判断がしやすくなります。
パート・アルバイトでも対象になり得る
対象は「小学校第三学年修了前の子を養育する労働者」で、雇用の形を限定していません。ただし16条の3の2項は、労使協定によって一部の労働者を対象外にできる仕組みを準用しています。労使協定は会社と、過半数労働組合(無ければ過半数代表者)とのあいだで結びます。対象外にできる具体的な条件は厚生労働省令に任されています。パート・アルバイトだから対象外と決めつけず、まずは勤め先に労使協定があるか、中身はどうかを聞いてみることになります。
確かめ方
- 子どもの年齢が小学3年生修了前(9歳に達する日以後最初の3月31日まで)にあたるか確認する
- 学校行事への参加も理由になることを、勤め先の担当者が把握しているか確認する
- 1日未満の単位で取れるか、勤め先の制度を確認する
- 申出の様式やタイミングのルールを、当日の急な申出も含めて確認しておく
- 勤め先が独自に年度を定めていないか就業規則で確認する
- 転職した場合は、前の勤め先の取得実績が引き継がれないことを踏まえて予定を立てる
子どもが小学校に上がったからといって、看護等休暇が使えなくなるわけではありません。年齢の区切りを知らないまま両立を諦める前に、条文の範囲を確かめる価値があります。
3歳から小学校入学までの子については、看護等休暇とは別に、始業時刻の変更やテレワークなど働き方そのものを見直す措置も用意されています。3歳から小学校入学までは2つの措置が選べる にまとめました。看護等休暇が日単位・時間単位の休みであるのに対し、そちらは日々の働き方の枠組みを変える制度で、性質が異なります。両方を組み合わせて使うことも考えられます。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 4件
- 出典
- 1件(法令 1)
- 公開
引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。
